東北大学経済学部 経和会

会長就任挨拶 〜東北大学大学院経済学研究科長 川端 望〜

 4月1日付けで経済学部長・経済学研究科長ならびに経和会会長を拝命した川端望です。私は1983年に東北大学経済学部に入学し、主に金田重喜教授、村岡俊三教授の教えを受けました。大学院を経て大阪市立大学に職を得たのち、1998年より経済学部・経済学研究科に勤務しております。担当は産業発展論で、東アジアの産業の発展と成熟のダイナミクスについて鉄鋼業を中心に研究しております。
 さて、東北大学は昨年9月に、「国際卓越研究大学」の候補に選定されました。国際卓越研究大学とは、世界最高水準の研究環境でトップクラスの人材を結集し、優れた研究を行なうとともに、研究成果の活用で社会に変化をもたらすものです。支援財源として10兆円規模の「大学ファンド」が設置されています。東北大学はあくまで、一定の条件を満たした場合に認定する「候補」であり、現在認定に向けた計画の改訂が進められているところです。
 本学は理工系の比重が高いとみられがちですが、国際卓越研究大学認定のための有識者会議からは、「人文・社会科学系も含めた全学の研究力向上の道筋」が条件に付されました。経済学研究科・経済学部としてもこれに応えた計画を立てておるところです。日本の経済学・経営学においては、世界の研究コミュニティに直接参与する方式と、日本に独自な研究コミュニティを持つ方式が混在しています。理工系に比べると著書・論文を日本語で書いて、日本で発行される書籍・雑誌に掲載して日本の学術界や読者から評価を受ける割合が多くなっています。これは、日本の社会科学が日本社会の自己認識として出発した歴史に由来することであって、理由のあることでした。しかし、今日、学術の最先端を担おうとするならば、研究を世界に向かって開き、世界共通のフィールドで評価を受けることをめざさねばなりません。国際卓越研究大学認定を目指すこの機会に、研究の国際交流と国際的発信を急速に強めていかねばならないと思います。経済学研究科では、政策デザイン、データ科学、高齢社会の地域公共経済政策、地域イノベーション、SDGs、日本の経済・経営という分野別の研究センター、研究ラボを設置しておりますが、その活動を世界と向きあうものにアップグレードしていきます。同時に、研究成果をもって地域社会に貢献したく存じます。

 また教育面においても、大学院重点化以来進めてきた、海外留学支援と留学生の受け入れ、国際的な研究者、専門人材の輩出について、一段の質的飛躍が求められます。全学に設置される学部での「ゲートウェイカレッジ」では、留学生と国内学生の共修環境を設定していきます。
 私事ではありますが、はなはだ出来の悪い経済学部生であった私が、学部長・研究科長になるのはたいへん気恥ずかしいことです。しかし、自由に学問をする喜びを教えてくれた、この経済学部・経済学研究科のために全力を尽くす所存です。経和会の皆様のご指導、ご支援を心よりお願い申し上げます。

川端 望氏《略歴》

生年月日:1964年11月7日
出身地:宮城県仙台市
所属:経済学研究科 経済経営学専攻
担当科目:産業発展論
略歴:

1983年3月 宮城県仙台向山高校卒業
1987年3月 東北大学経済学部経済学科卒業
1989年3月 東北大学大学院経済学研究科経済学専攻博士前期課程修了 経済学修士
1992年3月 東北大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程単位取得退学
1992年4月 大阪市立大学助手。以後、講師、助教授となる(1997年12月退職)
1998年1月 東北大学経済学部助教授
1999年4月 大学院重点化により経済学研究科助教授に配置換え
2006年12月 博士(経済学)(東北大学)
2007年4月 東北大学大学院経済学研究科教授
2021年4月 東北大学大学院経済学研究科副研究科長・経済学部副学部長(2023年3月まで)