東京地区経和会では交流セミナーをハイブリッドで開催
東京地区経和会(会長:三野耕司 S54年卒・鴨池ゼミ)は、2021年11月27日に第33回交流セミナーを開催しました。
緊急事態宣言が10月1日に明けたとはいえ、新型コロナウイルス感染への警戒が残る中、リアルとオンラインのハイブリッド形式を試み、2年ぶりの開催に至ったものです。
オンラインでのコミュニケーションは急速に普及しましたが、運営を担当する私たち役員は、その道の専門家ではありません。会場の参加者とオンラインでの参加者との双方向の交流も実現したいという企画でしたので、それだけでも緊張するものでした。さらに「新しい発想で思い切って」と、他にもいくつか初の試みにチャレンジしましたので、交流会の模様とともにご紹介します。
講師には、これまでになく若い40歳代の㈱キープレーヤーズ代表高野秀敏氏(H11年卒・大滝ゼミ)をお招きしました(https://keyplayers.jp/)。
高野氏は、いったん就職された後、企業の採用支援を行う会社を自ら起ち上げ、成功に導きました。若いながらも50社以上の社外役員、アドバイザー、エンジェル投資等を手がけ、国内のみならず海外でもご活躍中と、数々の実績を残されています。東北大学発ベンチャーの担い手としても期待されるホープです。
演題は「スタートアップのすすめ」。スタートアップとは起業すること。大企業に就職して勤め上げることが当たり前だった昭和世代には物珍しい初めてのテーマです。一方で、若手同窓生や現役学生にとっては、終身雇用が古風な言葉となり、自らのキャリアデザインは自ら考える意識が強い昨今ですので、起業は選択肢の一つ。より身近な存在です。そうしたことに関心のある平成後半卒業の若手を中心に、世代を超えた約70名のみなさんに、今回、ご参加をいただきました。
高野氏は、宮城県川崎町で一日町長を務められたという地元でのエピソードも交えながら、同窓生に親しみ深く話を進めてくださいました。
講演の途中、いくつかのテーマを高野氏に投げかけてパネルディスカッション風に話を深めていったのも今回の試みでした。中心となってディスカッションを進めたのは、東京経和会の若手支援担当副会長である小佐野美智子さん(H21年修士・関田ゼミ)。起業への心構えや事業化への視点などについて話を広げる中で「成功している企業は後発が多い」「不人気の業界にチャンス」など、高野氏から貴重なポイントを引き出していただきました。
講演に引き続き、小佐野副会長の雰囲気づくりのもと「この社会にどんなサービスが事業としてあったらよいか?」をテーマにグループワークが行われました。会場では前後の列でグループを作り、オンラインではブレークアウトルームに分かれ、考えを披露してもらいました。起業家になったつもりで意見を交わすことにより、講演から得られるものをより豊かにするとともに、コロナ禍でままならない同窓生間の交流の機会を作ろうという趣旨でもありました。
グループワークも初の試み。参加者は予想していなかったことです。それでも会場で世代を超えて話が盛り上がっていたのは、同窓生同士という垣根の低さからでしょうか。
今回、ハイブリット形式のメリットを活かして、東京地区外に在住の方々や現役学生もお誘いしましたが、これも初めてです。仙台、名古屋からも発言いただき、全国規模で双方向の交流を深められたのは大きな収穫でした。
最後に、高野氏の恩師でもある大滝精一先生(S50・原沢ゼミ 元東北大学経済学部教授)に講評をお願いしました。これも初めて。先生は、東北大学を退官された後、都内のビジネススクールで教官として研究・教育活動を続けていらっしゃいます。ビジネスの最新動向を踏まえての、深い学識に裏付けされた講評によって、昭和世代の参加者にも起業の意義が改めて伝わり、令和・平成・昭和各世代をつなぐ面からもセミナーの価値を高めていただきました。
ささやかな試みですが、運営サイドとしては、円滑な進行やWEBの音声などについて数々の反省点を残しました。それでも、参加された多くの方々から意義を認めていただき、次のステップにつながったように思えました。
残念なことは、恒例である交流セミナー後の懇親会が「次の機会の楽しみ」となったことです。リアルでの懇親を心置きなく深められる日が戻ることを願っています。
旧交を温めることはもとより、年齢、組織、職業を超えた交流や、他にはない学びの機会を得られる、同窓のつながりのありがたさを改めて印象付けてくれる交流セミナーでした。東北大学経済学部の輪の一員であることが、一生の財産と思えるよう、今回の経験も活かしながら、東京地区経和会として知恵を絞り工夫を重ねていければと思っています。 引き続きのご支援、ご理解、そしてより多くの同窓の皆様、現役学生のご参加をお待ちしています。
参加者の感想
名古屋よりオンラインで参加した大和田美香さん(H27年卒・増田ゼミ)の感想です。
「高野さんのお話からビジネスで人と社会と組織を幸せにしたいという情熱を感じました。ビジネスチャンスは伸び盛りの業界だけではなく、反対に課題が多いと言われている業界にこそ眠っているというお話が印象的でした。グループワークでは他の参加者のかたとアイデア交換し新たな気づきを得ることができました。」
セミ協代表 大野祐介さん(4年生) が、ゼミ協メンバーで参加している写真を送ってくれました。今の学生はオンライン利用に慣れ親しんでいて、今後の交流セミナーの運営に活かせる提言もいただきました。
(東京地区経和会副会長 竹澤秀樹 2021年12月記)